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健診の結果をきっかけに、家族の飲み物を見直す
園の歯科健診の用紙に「むし歯の疑い」と書かれていた。そのとき、おばあちゃんの家で飲むジュースや、外遊びで飲むスポーツ飲料を思い浮かべた方もいるでしょう。飲み物は「何を」だけでなく「いつ・どう飲むか」まで決めておくと、家族で続けやすくなります。この記事では、神埼市で子育て中のご家庭に向けて、普段の飲み物の選び方、家族で共有できる約束の作り方、歯科で相談できることをまとめました。
この記事の要点まとめ
- 日常の水分補給は水や無糖麦茶を中心にし、ジュースやスポーツ飲料は飲む場面や頻度を決めて取り入れます。
- ジュースはおやつと一緒に時間を区切り、飲んだ後は水を飲むなど、家族や預かる人と約束を共有します。
- 飲み物の工夫に加えて歯みがきや仕上げみがきを続け、健診で指摘があれば結果や飲用習慣を歯科で相談します。
むし歯予防を考えた普段の飲み物選び

水・麦茶・牛乳・ジュースは飲む場面で選ぶ
毎日の水分補給には、水か無糖の麦茶が向いています。糖分を含まないので、こまめに飲んでも歯が酸にさらされる時間を増やしにくいからです1。なお、当院では、歯に色が付きやすいお子さんはルイボスティーや麦茶などのノンカフェインの飲み物を飲んでいることが多いですが、着色が気になるようであれば水などを飲ませた方がよいと説明しています。
牛乳は食事やおやつと一緒に出すと取り入れやすいでしょう。ジュースや乳酸菌飲料は砂糖を含むものが多く、子どもの砂糖入り飲料の摂取とむし歯との関連は研究でも報告されています2。とはいえ、むし歯は飲み物だけで決まるものではありません。歯みがきや食べる回数も関わってきます3。当院でも、ジュースは飲んでもよいものの、時間を決めて飲むことを推奨しています。
「無糖」「砂糖不使用」「ゼロ」の表示と酸味を確認する
「砂糖不使用」と書かれていても、果汁由来の糖を含む商品はあります。ゼロ表示の炭酸飲料や果汁入りの飲み物も、糖分が少ないかわりに酸性のものが少なくありません1。表示の言葉だけで判断せず、原材料と酸っぱさの有無も目安にしてみてください4。
当院でこうした飲み物について相談された場合は、人工甘味料が使用されていることが多く、あまり飲ませるとお腹がゆるくなる(下痢をしてしまう)ことなどもあるため、飲ませるのであればそうしたものではなくお茶などの方がよいとお伝えしています。
暑い日の外遊びでは何を飲ませる?
短時間の遊びなら、水や麦茶で足りることがほとんどです。長時間たくさん汗をかく日は熱中症への備えを優先し、スポーツ飲料や経口補水液を選ぶ場面もあります5。気をつけたいのは、スポーツ飲料を一日中少しずつ飲み続ける習慣。糖と酸に歯が触れる時間が長くなるため3、飲んだあとに水をひと口足すと口の中をすすぐ助けになります。
義母にも伝えやすいジュースの約束を作る

ジュースはおやつの時間など、出す場面を決める
ジュースを家庭から完全になくす必要はありません。「普段の水分補給にはしない」「おやつの時間に楽しむ」と場面を決めるだけで、飲む回数は自然と減っていきます。砂糖を含む飲み物は、量に加えて口にする頻度もむし歯と関わると考えられています2。回数は家庭の事情に合わせてかまいません。まずは何気なく飲んでいる場面から見直してみましょう3。
寝る前と「ちびちび飲み」を避け、飲んだ後は水を飲む
眠っている間は唾液が減るため、寝る前に飲んだ甘い飲み物は歯に残りやすくなります。少しずつ長い時間をかけて飲むのも、歯が糖や酸にさらされる時間を延ばす飲み方です1。一気飲みを勧めたいわけではなく、時間を区切って飲み終えることがポイント。飲んだあとは水を飲むか、うがいをしておきましょう。酸味の強い飲み物のあと、いつ歯みがきをするかはお子さまの歯の状態で考え方が変わるため、歯科で確認しておくと迷いません4。
また、当院で「ちびちび飲みや寝る前の甘い飲み物の習慣をすぐには変えられない」とご相談いただいた場合は、飲むヨーグルトなどではなく、普通の牛乳のほうがまだよいのではないか、と提案しています。
「普段は水か麦茶、ジュースはおやつと一緒に」と共有する
預かってくれる義母や祖父母に伝えるときは、健診の結果を共有したうえで、「普段は水か麦茶、ジュースはおやつと一緒に。飲んだら水をひと口」と短くまとめておくと覚えやすくなります。麦茶を作り置きしておく、水筒を持たせるなど、用意する側の手間を減らす工夫も役立ちます。
もし「祖父母がジュースを出してくれるので断りにくい」とお悩みの場合は、当院では「むし歯にさせたくないから」とそのまま伝えるようお話ししています。祖父母に気を使うことはなく、もしむし歯にさせてしまったらお孫さんが泣き、痛い思いをするのはお孫さん自身なので、しっかりと断ることが大切です。また、お子さま本人から直接言ってもらうのも効果があるかもしれません。
飲み物を変えるだけでは足りない、歯を守る習慣
酸っぱい飲み物による歯への影響は、むし歯とは別に考える
むし歯は、細菌が糖を分解して作る酸によって歯が溶けていく病気です。一方、柑橘系の飲料や炭酸飲料など、飲み物そのものの酸で歯の表面がやわらかくなる状態は「酸蝕症」と呼ばれます14。原因が違うので、糖分だけでなく酸味にも目を向ける必要があります。歯が白っぽく見えたり表面に変化を感じたりしても、どちらによるものかは見た目だけで決めず、歯科で確認しましょう。
フッ化物配合歯みがき剤は年齢に合う使い方を相談する
飲み物の工夫と並行して続けたいのが、フッ化物配合歯みがき剤を使った歯みがきと、保護者による仕上げみがきです5。年齢ごとに使う量の目安があり、乳幼児期はごく少量から始めます34。2歳と5歳では量が変わるため、受診の際に確認しておくと安心です。当院では、一日の回数を決めるよりも「食べたら磨く・ぬぐう」を大切にしています。
唾液が多くても、むし歯予防を省かない
生まれつき唾液が多いと感じるお子さまもいます。唾液には酸を中和する働きがある一方、甘い飲み物を頻繁に口にすれば、その働きだけでは追いつかないこともあります1。飲み方の工夫や歯みがきは、唾液の量にかかわらず続けたい習慣です。クロルヘキシジンなどを含む洗口液の追加を考えたときは、自己判断で使い始めず、お子さまに使えるかどうかを歯科に相談してください3。
神埼市で園の健診後に歯科へ相談するには
健診で「むし歯の疑い」と言われたら状態を確認する
園の健診は限られた時間と環境で行われるため、「疑い」は歯科で詳しく診てもらうきっかけと受け止めるとよいでしょう3。早めに状態がわかれば、様子をみるのか処置を考えるのかを落ち着いて相談できます5。痛みや歯ぐきの腫れがある場合は、予約の際に伝えておきましょう。
初診では預かる日の飲み物も伝える
普段の飲み物、ジュースの頻度、外遊び中の飲み方、使っている歯みがき剤をメモしておくと、相談がスムーズに進みます。義母が預かる日の様子も伝えてもらえれば、家族全員で続けやすい約束を一緒に考えられます4。当院では、悪くならないように予防し、良い状態を保つためのケアを続けることも大切だと考えています。
予約前に持ち物と初診の流れを確認する
持参するものの候補は、園の健診結果、保険資格を確認できるもの、子どもの医療費助成の受給資格証などです。初診の進め方や必要な持ち物は医院によって異なるため、予約時に確認しておくと当日も慌てずにすみます。神埼市で歯科への相談を考えている方は、健診結果と飲み物のメモをそろえてから予約を入れると、聞きたいことを漏らさず伝えられます。
よくある質問
Q. 麦茶はむし歯にならない飲み物ですか?
A. 無糖の麦茶は糖分を含まないため、普段の水分補給に取り入れやすい飲み物です。ただし、麦茶を飲んでいればむし歯にならないというわけではありません。食べる回数や歯みがきの習慣もあわせて見直すことが大切です。
Q. むし歯予防に効果的なお茶はありますか?
A. 特定のお茶でむし歯を防げるとは言い切れません。子どもの日常の水分補給としては、糖分やカフェインを含まない麦茶などの無糖のお茶が選びやすいでしょう。緑茶やほうじ茶にはカフェインが含まれるため、小さなお子さまには量や時間帯に配慮してください。
Q. ルイボスティーはむし歯の原因になりますか?
A. 無糖のルイボスティーであれば、糖分による影響は考えにくい飲み物です。はちみつや砂糖を加えたり、甘みのある市販品を選んだりすると糖分を摂ることになるため、原材料を確認しましょう。
Q. むし歯になりやすい食べ物や飲み物はどんなものですか?
A. 砂糖を多く含むもの、歯にくっつきやすいもの、長い時間をかけて口にするものは、むし歯のリスクが高まりやすいとされています。飲み物ではジュースや乳酸菌飲料、スポーツ飲料を少しずつ飲み続ける習慣に注意が必要です。
Q. 定期健診はどのくらいの間隔で受ければよいですか?
A. お口の状態やむし歯のなりやすさによって異なります。当院では、1か月ごと、2か月ごと、3か月ごとなどの間隔は、お子さま一人ひとりの状態に応じた目安と考えています。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. Large JF, Madigan C, Pradeilles R, et al. Impact of unhealthy food and beverage consumption on children's risk of dental caries: a systematic review. Nutrition Reviews. 2024. PMID: 38086176 / DOI: 10.1093/nutrit/nuad147
3. 日本小児歯科学会 公式サイト https://www.jspd.gr.jp/
4. 日本齲蝕学会 公式サイト https://www.jacd.jp/
5. 厚生労働省 公式サイト https://www.mhlw.go.jp/
大学病院歯科口腔外科 勤務
福岡市、佐賀市内歯科医院 勤務
医療法人桜裕会「佐賀さくら歯科親子歯科クリニック」開院
佐賀県歯科医師会 会員
神埼市歯科医師会 会員
日本小児歯科学会 会員
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